弥生時代の髪型の真実!美豆良と卑弥呼の結髪を最新考古学で完全解剖

弥生時代の髪型の真実!美豆良と卑弥呼の結髪を最新考古学で完全解剖にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。

男性が美豆良で自己を律したのに対し、弥生時代の女性たちはどのような頭部装飾を行っていたのでしょうか。当時の精神世界を牽引した邪馬台国の女王・卑弥呼の存在を通して、女性の結髪のリアリティに迫ります。

『魏志倭人伝』の記述によると、倭人の女性について「髪は椎結(つちづと)にす」と簡潔に記されています。椎結とは、髪を頭頂部や後頭部でひとまとめにし、木槌や槌のような形に丸めて結び留めるスタイルを指します。日常の機織りや農耕に従事する女性たちにとって、髪を固定して崩れないようにする椎結は最も機能的な選択肢でした。

しかし、これが祭祀を司るシャーマンや巫女、あるいは最高権力者となると話は完全に別です。吉野ヶ里遺跡や福岡県の平原遺跡(ひらばるいせき)などからは、鮮やかな朱漆(しおうるし)が塗られた大型の木製竪櫛(たてぐし)が大量に出土しています。朱(辰砂)は古代において「不老不死」「魔除け」の最高級顔料でした。

これを踏まえると、卑弥呼の髪型は、単に髪を後ろに束ねただけの無造作なものではあり得ません。神託を受ける儀礼の場において、彼女は長く豊かな黒髪を一部垂らしながらも、頭頂部に神聖な結髪を作り、そこに丹念に朱漆で染め上げられた複数の竪櫛を放射状に挿し飾っていた可能性が濃厚です。神の声を聴くための呪術的アンテナとして、髪そのものが聖域化されていたのです。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。