ベイカー街の亡霊が歴代最高傑作と呼ばれる理由|脚本と伏線の真相解明

ベイカー街の亡霊が歴代最高傑作と呼ばれる理由|脚本と伏線の真相解明の詳細解説を解説します。最新トレンドがチェックできます。

現実世界で起きたシンドラー社開発責任者・樫村忠彬(工藤優作の友人であり、沢田弘樹の実父)の刺殺事件。この犯人は、トマス・シンドラー社長本人でした。彼を凶行へと駆り立てた動機は、19世紀末の殺人鬼切り裂きジャック(JTR)の子孫であるという血筋の秘密を樫村と弘樹に知られたことでした。

仮想空間のロンドンにおいて、切り裂きジャックはモリアーティ教授によって犯罪者として育てられた孤児であり、母親への歪んだ愛憎から凶行を繰り返す哀しき怪物として描かれます。現実世界のシンドラーもまた、自らの内に流れる「殺人鬼の血」という亡霊に怯え、秘密を守るために弘樹を追い詰め、樫村を殺害してしまいました。

血統や世襲という「見えない鎖」に囚われて破滅したシンドラーと、親の七光りから脱却して自らの足で立ち上がった子供たち。ここでも見事な対比構造が完成しています。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。