仕掛りとは?半製品との違いや原価計算・放置リスクの真相を徹底解説
決算を正しく締める上で避けて通れないのが、仕掛品 棚卸資産の適正な金額算定です。会計上、期末時点でライン上にある仕掛品をいくらと評価するかによって、当期の売上原価が変わり、最終的な営業利益が大きく変動します。
進捗度を考慮する総合原価計算の実務
大量生産を行う工場では、仕掛品 原価計算において「総合原価計算」が採用されます。ここで極めて重要なのが「進捗度(加工の度合い)」という概念です。原材料費はライン投入時に一括で100%投入されることが多い一方、加工費(直接労務費や製造間接費)は工程の進み具合に応じて徐々に付加されます。
期末における仕掛品 計算方法の基本的な算式は次の通りです。期末仕掛品の数量に進捗度を乗じて「完成品換算数量」を算出し、平均法や先入先出法(FIFO)を用いて材料費と加工費を按分します。
【月末仕掛品原価の計算骨子】 ・月末仕掛品原価 = 月末仕掛品材料費 + 月末仕掛品加工費
・月末仕掛品加工費 = 当期加工費 × [月末仕掛品換算数量 ÷(当期完成品数量 + 月末仕掛品換算数量)]
※換算数量 = 月末仕掛品実数量 × 進捗度(例:進捗50%なら実数100個=換算50個)
この配賦計算の結果は、決算書類である製造原価報告書 仕掛品の欄に反映されます。「期首仕掛品棚卸高」に「当期総製造費用」を加え、算出した「期末仕掛品棚卸高」を差し引くことで、当期に完成した「当期製品製造原価」が確定します。
日常業務と決算期における仕掛品 仕訳例
経理処理における仕掛品 仕訳例は、現場の作業実態と連動しています。製造着手から完成、決算時の振替フローは以下のようになります。
① 原材料を現場へ投入し、加工を開始したとき
(借方)仕掛品 500,000円 /(貸方)原材料 500,000円
※材料が倉庫から製造現場へ移動し、仕掛品勘定へ振り替えられます。
② 製品が完成し、完成品倉庫へ入庫したとき
(借方)製品 1,200,000円 /(貸方)仕掛品 1,200,000円
※投入された材料費と累積した加工費の合計額が「製品」へ振り替えられます。
③ 決算期における評価損の計上(低価法)
期末における仕掛品 評価方法には原則として「低価法」が適用されます。製造途中であっても、需要の急減や設計変更によって将来の正味売却価額が取得原価を下回ると見込まれる場合、簿価を切り下げて評価損を計上しなければなりません。
(借方)仕掛品評価損 150,000円 /(貸方)仕掛品 150,000円