【現地ルポ】2026年秋葉原の異界:巨大タワー「エムズ」が映し出す日本のセクシャル・ウェルネス最前線とインバウンド狂騒曲
近年の秋葉原は、オフィスビルの高層化と大手資本による再開発が急速に進み、かつての無秩序なカオスや雑多なエネルギーが薄れつつあると指摘されて久しい。老舗の電子部品店や同人誌ショップが相次いで姿を消していった。
その激変のただ中にあって、この巨大タワーは頑なにフィジカルな店舗体験を提供し続けている。オンラインで何でも匿名で買える時代に、なぜ人はわざわざリアル店舗に足を運ぶのか。フロアを巡ればその答えがわかる。圧倒的な商品数に囲まれる圧倒感、手触りやパッケージデザインを自分の目で確認できる確実性、そして「同じ空間に同じ目的を持つ他者がいる」という奇妙な連帯感。ネットのアルゴリズムでは出会えない偶然の発見が、フロアの隅々に仕掛けられているのだ。