ディディエールシカクワガタ飼育解説|産卵と大型化を成功させる極意
ブリーダーが口を揃えて語るディディエールシカクワガタブリード失敗の理由の筆頭が、「成熟の見誤り」による無精卵の乱発と早期斃死です。本種の生態的特徴として、羽化後の休眠期間が一般的なドルクス系よりも長期に及ぶ点が挙げられます。
羽化直後の成虫は、蛹室の中で内臓や外骨格が完全に硬化するまで、約3〜6ヶ月にわたってじっと身を潜めます。この休眠期間中に掘り出して刺激を与えすぎると、著しく体力を消耗して寿命を縮める結果となります。
さらに警戒すべきは、ディディエールシカクワガタ後食と成熟の真相です。自力で蛹室を脱出し、ゼリーを食べ始めた(後食した)からといって、直ちに交尾が可能になったわけではありません。「ゼリーを食べ始めた=生殖器官が成熟した」と判断してハンドペアリングを強行すると、交尾行動には至っても受精しておらず、産卵セット投入後に無精卵ばかりを産んでメスが力尽きるという悲劇が起こります。
後食開始を確認したら、高タンパクゼリーを十分に与えながら、さらに最低1ヶ月から2ヶ月間は単独飼育でじっくりと成熟を待つ必要があります。オスの生殖器が成熟し、メスがフェロモンを発する準備が整うと、ゼリーの消費量が劇的に増加します。成虫のディディエールシカクワガタ寿命は羽化後1年〜1年半前後とシカクワガタ類の中では比較的長命であるため、交尾を数ヶ月焦る必要は一切ありません。