大阪城天守閣の謎を解剖!秀吉の黄金期から非公開エリアの全貌まで

話題沸騰中の 大阪城天守閣の謎を解剖!秀吉の黄金期から非公開エリアの全貌までについて、多角的な視点をご紹介しています。

現在の大阪城天守閣(特別史跡大阪城跡)は、1931年(昭和6年)に市民の寄付金によって鉄筋コンクリート造で復興された「三代目」である。外観は徳川の石垣の上に豊臣風の黒漆・虎のレリーフを載せるというハイブリッドな意匠を採用しつつ、内部は極めて近代的な博物館空間として設計されている。全8層からなる構造は、単なる歴史の再現にとどまらない。

一般の参観ルートでは、1階のエントランスから最上階の展望台まで、エレベーターと階段を駆使して貴重な武具や絵図、ジオラマを巡る。だが、展示室の壁の向こう側、関係者以外立ち入り禁止の鉄扉の先には、一般には公開されていない独自の非公開エリアが存在する。その最たるものが、鉄筋コンクリート造の躯体を支える基礎ピット層と、昭和初期の高度な耐震補強梁が交差する構造維持空間だ。近代建築としての遺構を守るため、温湿度管理を一括制御する空調ダクトが縦横に走り、文化財保護・博物館学の知見を結集した最新のモニタリングシステムが24時間体制で稼働している。

さらに、最上階の展望台直下に隠されたメンテナンス専用の狭隘なスペースからは、外壁に飾られた巨大な「伏虎」や「金箔押鶴丸文」を間近で点検できるキャットウォークが伸びる。そこからは難波の街並みが一望できると同時に、昭和初期の職人たちが手作業で打ち込んだリベットや、戦災による焦土を乗り越えたコンクリートの生々しい肌が確認できる。歴史の表舞台に立つ華麗な展示品と、それを裏側で支え続ける骨太な近代工学――この二層のコントラストこそが、内部構造の真の醍醐味である。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。