巨大財閥・住友家の知られざる血脈!400年の興亡と現代の肖像
住友家は、富の蓄積だけでなく、文化の庇護者(メセナ)としても傑出した足跡を残した。その象徴が、京都・鹿ヶ谷と東京・六本木に拠点を構える美術館「泉屋博古館」だ。ここには、第15代当主・住友吉左衛門(春翠)が情熱を注いで収集した中国古代の青銅器や鏡鑑、近世の日本画、洋画などの国宝・重要文化財が多数収蔵されている。
春翠の収集哲学は単なる道楽ではなかった。国富の流出を防ぎ、美を通じて社会の教養を高めるという公的な使命感に裏打ちされていた。政治の権力争いから一定の距離を置き、芸術や学術の発展に静かに寄与する姿勢は、華美を戒める家風と見事に調和している。
現代における一族の末裔たちもまた、社交界で派手に立ち回ることはない。プライベートな生活を厳格に守りつつ、公益財団法人や文化事業の役員として、祖先の遺産を社会へ還元する黒子役に徹している。この「誇り高き沈黙」こそが、真の名門たる証なのかもしれない。