「目がない」の意味と語源を徹底解説!2つの用法やビジネス敬語の注意点
なぜ「好物で夢中になること」や「判断力がないこと」を「目がない」と言い表すようになったのでしょうか。その起源には、日本の伝統文化や身体感覚に根ざした複数の有力な説が存在します。
最も広く知られている語源のひとつが、囲碁の対局用語に由来する説です。囲碁の世界では、碁石で囲まれた隙間の空間を「眼(め)」と呼びます。石が生き残るためには最低でも「2つの眼(二眼)」を作る必要があり、眼がひとつもない、あるいは欠けている状態(「目がない」状態)は、助かる見込みがない「死に石」を意味します。ここから「助かる見込みがない」「形勢を立て直す術がない」という意味が転じ、理性を保てないほど夢中になる様子や、価値を見極める手立てがない状態を指すようになったとされています。
もうひとつは、「視力・視野」の身体的メタファーから派生した説です。人はあまりにも強い欲望や熱狂に囚われると、周囲の状況や欠点が見えなくなります。いわゆる「盲目(恋は盲目)」に近い状態に陥り、正常な目配りが効かなくなることから「目が存在しないかのようだ」と形容されたという解釈です。また、物事の本質を捉える「心の眼(鑑識眼)」が機能していない状態をそのまま言語化したとする見方も言語学的に支持されています。