男闘呼組・成田昭次が語る工場勤務の真相と空白の10年、奇跡の現在
成田の人生が再び動き出すきっかけとなったのは、皮肉にも彼が誠実に働き続けた工場での人間関係でした。当初は周囲に過去を隠して働いていましたが、真面目で礼儀正しく、誰よりも愚直に作業へ打ち込む成田の人柄に、工場の社長や同僚たちは深い信頼を寄せるようになっていきました。
やがて成田の素性を知ることとなった工場の経営陣や仲間たちは、彼を色眼鏡で見るどころか、「お前はここに埋もれていていい人間じゃない」「もう一度ギターを弾くべきだ」と温かい言葉をかけ続けたといいます。職場の理解と支えによって、長年固く閉ざされていた成田の心の扉が少しずつ開き始めました。深夜、自宅のアパートで埃をかぶっていたアコースティックギターを恐る恐る手に取り、固くなった指先でコードを押さえた瞬間が、再生への第一歩でした。