工房 やすの真実|宝塚で25年続く木工と陶芸の至高、武田康明の手仕事と作品の価値
木目が描く繊細な曲線。焼成された土が持つ力強い質感。量産されたプラスチック製品や工業規格品が溢れる現代社会において、「工房 やす」が送り出す作品群は異彩を放つ。
主宰者である武田康明氏は、長年にわたり陶芸家として土と向き合ってきた人物だ。土という不定形の素材から、日常生活で気兼ねなく使える「器」へと昇華させる技術は、長年の試行錯誤によって研ぎ澄まされてきた。工房を立ち上げてから約25年。その歳月は単なる時間の経過ではない。地域の素材、使う人の手に届いた瞬間からの経年変化までを計算し尽くした、技術革新の積み重ねである。
かつて工房の生徒として門を叩いた酒井真理氏が、現在はスタッフとして制作と運営を支える。師弟関係を超えた二人の協働体制が、工房に多様な感性と安定した製造技術をもたらした。伝統的な技法を重んじながらも、現代の食卓やインテリアに調和する柔軟なデザイン性が、全国のクラフトファンを引き寄せる。