大宮ほこすぎ橋の全貌:構造美と歴史が交差するさいたまの歩道橋
大宮ほこすぎ橋の構造美を象徴するのが、内側に傾斜した2本のアーチ肋(ろく)である。専門用語で「バスケットハンドル型単純鋼管アーチローゼ桁」と呼ばれる構造だ。まるで竹かごの取っ手(バスケットハンドル)のように、左右のアーチ部材が上部に向かって寄り添うように傾いている。
なぜバスケットハンドル型なのか
直線的なアーチ構造に比べ、内側に傾斜させたバスケットハンドル型は構造的な剛性が著しく高い。風による揺れや地震時の横揺れに対して強い耐性を発揮する。同時に、アーチの頂部を絞り込むことで、空へ抜ける開放的な視覚効果を生み出している。
線路の上を架け渡す高度な施工技術
総工費は約34億円。施工を担当した宮地建設工業などの共同企業体は、列車の高密度運行が続く重要幹線の上空で作業を進めなければならなかった。列車事故のリスクをゼロにするため、桁の架設には細心の注意が払われた。夜間の短い運休時間を狙い、大型クレーンや特殊な送り出し工法を用いて、ミリ単位の精度で巨大な鋼管アーチが架け渡された。