吉田屋の弁当食中毒はなぜ起きた?原因菌と温度管理の真相を徹底解説
なぜ本来守られるべき衛生基準が現場で崩壊してしまったのか。その背景には、自社の製造能力を大幅に超える大量受注と外部委託先炊飯業者との連携不備がありました。
当時、秋の大型連休に向けて全国の取引先から注文が集中し、八戸の本社工場だけでは米飯の炊飯が追いつかない状態に陥っていました。そこで同社は、県外を含む外部の炊飯業者へ大量の米飯製造を委託。しかし、委託先からの納品形態や輸送時の温度指示、受け入れ時の検収基準が極めて曖昧なまま運用されていたのです。
本来であれば、炊飯後の米飯は急速冷却機を用いて芯温まで速やかに冷却し、低温(10℃以下など)を維持した状態で配送・保管されなければなりません。ところが、現場では温かい状態のまま常温に近いトラックで輸送されたり、工場到着後も十分な冷却措置が取られないまま盛り付け作業が行われていました。現場の生産キャパシティを超えた過密日程と、形骸化した衛生マニュアルが招いた人災といえます。