『舟を編む』大渡海の辞書モデルは実在する?三省堂と広辞苑の真相
作中で松本先生が語る通り、「大渡海」という書名には深い思想が込められています。
「辞書は、言葉という広大な海を渡るための舟である」。人は言葉がなければ、自分の心にある思いを誰かに正確に伝えることも、他者の感情を深く理解することもできません。迷いや孤独という荒波が広がる世界において、自分の感情をすくい上げ、他者とつながるための確かな舟を提供したいという願いから「大渡海」と名付けられました。
気の遠くなるような用例採集、言葉の変遷を見守る執念、そして1文字の誤字も許されない校正作業。大渡海というフィクションを通して描かれたのは、私たちが普段何気なく引いている辞書の1行1行に、人生を賭けた先人たちの情熱が息づいているという紛れもない真実です。