リリーオブザバレーの正体|「幸せの再来」と猛毒が宿るスズランの真実

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「リリーオブザバレー(Lily of the Valley)」は、日本語でスズラン(鈴蘭)を指す英語名です。直訳すると「谷のユリ」を意味し、旧約聖書の『雅歌』に登場する美しい詩句や、キリスト教の伝承に深く結びついています。一説には、森の竜と戦って命を落とした聖レナードの流した血からこの花が咲いたという伝説や、十字架にかけられたキリストを見つめる聖母マリアが流した涙が地面に落ちてスズランになったという言い伝えが残されています。

日本国内で流通しているスズランと「リリーオブザバレー」と呼ばれるものには、植物学上の微妙な違いが存在します。日本の山野に自生する在来種「ニホンスズラン」は葉の裏に花が隠れるように控えめに咲くのに対し、園芸種や西洋で親しまれる「ドイツスズラン(Convallaria majalis)」は葉と同じ高さかそれ以上に花茎が伸び、大ぶりで香りも一段と強いのが特徴です。現在フラワーショップで見かける華やかなスズランの多くは、このヨーロッパ原産のドイツスズランです。

リリーオブザバレーが世界中で愛される最大の理由は、その心温まる花言葉にあります。代表的な花言葉は「幸せの再来(Return of Happiness)」「純粋」「純潔」「謙虚」です。厳しい冬の寒さを乗り越え、雪解けとともにいち早く芳香を放つことから、ヨーロッパでは「春と幸福を運んでくる象徴」として大切に扱われてきました。フランスでは毎年5月1日を「スズランの日(Jour de Muguet)」とし、親しい人へ花を贈って幸福を祈る習慣が今も息づいています。

石川 優花

石川 優花

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。