1ピース4000円超の衝撃!極上ショートケーキが解き放つ黄金比
この潮流は、フランス菓子界のトップランナーたちをも強く刺激している。世界的なショコラティエでありパティシエの辻口博啓氏もまた、日本のショートケーキが持つ独自のポテンシャルを高く評価する一人だ。辻口氏は「ショートケーキとは、洋菓子というフォーマットを用いた日本独自のガストロノミーである」と喝破する。
製菓・洋菓子業界全体を見渡せば、今やクラシックなレシピの再現にとどまらず、テクスチャーの対比や香りのレイヤリングといったフレンチの高等技法がショートケーキに導入されている。辻口氏をはじめとする現代の巨匠たちは、果汁の酸味によってクリームの油分を乳化させ、後味のキレを極限まで高める設計を施す。単なる甘味の提供から、コース料理のクライマックスに匹敵する味覚体験へ。高級スイーツが目指す地平は、もはや日常のおやつではなく、一皿のアートピースへと変貌している。