綾野剛が『るろうに剣心』で魅せた怪演|外印の正体と撮影秘話
実写映画『るろうに剣心』第1作で綾野剛が演じた外印(げいん)は、阿片の密売で莫大な富を築いた悪徳商人・武田観柳(香川照之)の私設用心棒として雇われた凄腕の暗殺者です。黒のロングコートに身を包み、顔の左半分を覆う不気味な仮面を装着したその佇まいは、登場した瞬間に画面の空気を凍りつかせるほどの威圧感を放っていました。
和月伸宏氏による原作漫画における外印は、物語後半の「人誅編」に登場する人形師であり、精巧な機巧人形(からくりにんぎょう)「夷腕坊」などを操って影から戦う老人(後に特殊なスーツを脱ぎ素顔を晒す青年)という設定でした。しかし、映画第1作の脚本では、物語の焦点を明治維新の影と武田観柳邸の攻略に絞り込むため、原作の「御庭番衆」などのエピソードを再編。外印自身が直接刃と銃を振るう超実戦型の冷酷な武芸者へと大胆なリデザインが施されました。
劇中後半、仮面が砕け散った際に露わになる顔のケロイド(火傷痕)と、感情を削ぎ落とした氷のように冷たい眼光は、綾野剛という俳優の身体性と美意識が極限まで融合した瞬間であり、原作ファンのみならず映画ファンをも唸らせる決定的な見どころとなりました。