【2026年現地ルポ】「見せる檻」を全廃した福山市立動物園、来園者数が過去最高を更新中—動物福祉革命の最前線を歩く
新しく誕生したサバンナゾーンに立つと、人の視界を遮る大きなフェンスが見当たらないことに驚かされる。緻密に計算された深いモート(堀)と天然の樹木を組み合わることで、人間と動物を物理的に隔離する圧迫感を排した。猛獣エリアでは、極厚の特殊アクリルパネル越しにライオンやサーバルが目と鼻の先を通り過ぎる。息づかいや足音がダイレクトに届き、思わず足がすくむほどの臨場感だ。
この設計の狙いは、単なる観客向けのエンタメではない。飼育スタッフは「動物が人視線を気にせず、自発的に動き回れる空間づくりを最優先した」と語る。高低差のある立体的なキャットウォークや、季節の草木を植えたエリアによって、動物たちの表情は驚くほど伸びやかだ。