呑兵衛が最後に辿り着く「赤星」熱処理ビールが誇る本物のコク
現在、サッポロホールディングス傘下のサッポロビール株式会社において、この銘柄は主に業務用、すなわち飲食店専用の瓶ビールとして流通している。スーパーや量販店の棚に日常的に並ぶことはなく、酒場に行かなければ飲めない。この希少性と徹底した現場主義が、ブランドの価値を決定的なものにしている。
酒類・外食産業において、店先に置かれた赤星のビールケースや、壁に貼られたレトロなポスターは、酒場好きにとって一種の目印となっている。「この店は料理の味を分かっている」「呑兵衛の気持ちを理解している」という無言の信頼感が、赤い星のラベルひとつで共有されるのだ。赤星を置くことは、店主にとっても酒場としての美学を表明するマニフェストに近い。
カウンターに座った見知らぬ客同士が、同じ瓶を傾けながら自然と言葉を交わす。日本の居酒屋文化が育んできた温かな連帯感の中心には、いつも変わらない姿で赤星が存在している。