北勝海と千代の富士の真実|九重部屋兄弟弟子の絆と確執の全貌
2010年代に入ると、二人の関係は土俵の上から「日本相撲協会の組織運営」という新たな舞台へと移ります。ファンの間でも強い関心を集めたのが、日本相撲協会理事長選の経緯でした。
2015年11月、北の湖理事長の急逝に伴い、八角親方が理事長代行を経て第12代理事長に就任しました。翌2016年春の理事長選では、八角親方と貴乃花親方が激突する構図となり、角界の権力闘争としてメディアの注目を浴びました。この過程で、九重親方(千代の富士)の政治的スタンスや投票行動について様々な憶測が飛び交い、一部で「北勝海と千代の富士の間に決定的な亀裂が入った」とする見方が広まりました。
SNSやファンのコミュニティにおける当時の反応を検証すると、次のようなリアルな声が見受けられます。
「土俵の上では最強の兄弟弟子だった二人が、協会の権力争いで対立しているように見えるのは寂しい」「九重親方の圧倒的なカリスマ性と、八角親方の堅実な調整力。どちらも相撲界に必要なリーダーだった」
しかし、2016年7月に九重親方が膵臓がんにより61歳の若さで逝去した際、八角理事長が見せた涙と追悼の言葉は、単なる組織内のライバル関係を超越したものでした。公の場で見せた沈痛な表情と「子どもの頃からずっと背中を追いかけてきた兄弟子だった」という述懐は、政治的思惑を超えた血の通った絆を如実に物語っていました。