本場屋台の味を完全再現!黄金比タレで化ける絶品パッタイの極意

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いまや世界中で愛されるタイ料理の代名詞となったパッタイだが、その起源は古代から続く伝統料理ではない。誕生の背景には、20世紀半ばの激動の政治情勢と国家戦略が深く関わっている。

1930年代後半から1940年代にかけてタイの首相を務めたプレーク・ピブーンソンクラームは、第二次世界大戦下の経済危機と深刻な米不足に直面していた。米を粒のまま主食として消費するよりも、米粉を加工して麺にした方が消費効率が高く、国家備蓄を節約できるという計算が働いたのだ。さらにピブーンソンクラームは、自国のアイデンティティ確立と近代化を推し進めるナショナリズム政策の一環として、「国民の健康を増進し、タイ人の誇りを高める新しい麺料理」の開発を官民挙げて奨励した。

中国由来の炒め麺技術に、タイ独自のハーブや調味料を融合させて誕生したこの料理には、「パッ(炒める)・タイ(タイ国)」という直球の名称が与えられた。まさに国家の威信を背負って生まれた戦略的ソウルフードだったのである。タイ王国観光庁(TAT)が推し進めてきた世界規模のガストロノミー外交においても、パッタイは常にその最前線を走り続けている。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。