九段下の「バカの壁」はなぜ作られ撤去された?猪瀬元知事の真相と現在

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この長年の悪習にメスを入れたのが、作家出身で東京都副知事(後に知事)を務めた猪瀬直樹氏でした。猪瀬氏は2010年、東京の地下鉄網のサービス向上と経営統合を目指す「都営・メトロ一元化構想」を掲げました。

猪瀬氏は自ら九段下駅の現場へ足を運び、壁の存在をメディアに公開。「利用者の利便性を完全に無視した官僚主義とセクショナリズムの象徴」と激しく糾弾し、この仕切りを「バカの壁」と命名して社会的な議論を巻き起こしました。

東京メトロ側には当初、運賃収入の配分や警備上の懸念などから慎重論もありましたが、メディアを通じた世論の圧倒的な後押しとトップダウンの強い政治主導により、両事業者はついに合意へ舵を切りました。2011年に壁の撤去に関する基本合意が締結され、2013年3月16日のダイヤ改正に合わせて壁の完全撤去が実現したのです。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。