リポビタンD「ファイト一発!」はなぜ崖っぷち?歴代Cmと秘話の真相

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リポビタンDが発売されたのは1962年(昭和37年)のことでした。当初は巨人軍の王貞治さんを起用し、ホームランを放つ爽やかなスポーツ路線で認知を拡大していましたが、1970年代後半に入ると栄養ドリンク市場の競争が激化します。他社との差別化を図り、より強いエネルギーと頼もしさを伝えるため、大正製薬が打ち出した新方針が「劇画的・冒険的アクション路線」への大転換でした。

1977年にスタートした新シリーズの初代コンビには、当時ドラマ『太陽にほえろ!』のテキサス刑事役で絶大な人気を誇っていた勝野洋さんと、ボン刑事役の宮内淳さんが抜擢されました。このとき考案されたのが、危機一髪の状況から仲間を救い出すシチュエーションです。

なぜあそこまで過激な「崖っぷち」だったのか。その理由は、商品が持つ「肉体疲労時の栄養補給」という機能的価値を、直感的なドラマとして視聴者に届けるためでした。一人では到底助からない絶体絶命のピンチにおいて、もう一人が命がけで手を差し伸べる。引き上げられた瞬間に生まれる圧倒的な生命力と達成感を描く舞台として、断崖絶壁や激流といった極限の自然環境が選ばれたのです。単なる筋肉自慢ではなく、「ピンチを分かち合い、信頼で乗り越える」という熱いヒューマンドラマこそが、あの演出の真の狙いでした。

山田 真由

山田 真由

自動車・モビリティライター

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