逝去から2年、いま問うデジタル遺産の倫理とプライバシー。漫画家・芦原妃名子さんが守ろうとした「素顔」の境界線
検索エンジンのサジェスト機能は、大衆の欲望を容赦なく可視化します。悲劇的な結末を迎えた著名人に対し、「どのような顔をしていたのか」「どんな表情で日々を過ごしていたのか」を知りたがる心理は、人間の本能的な好奇心に近いかもしれません。
しかし、その好奇心は時に、デジタル空間における暴力へと変貌します。特にアフィリエイト広告を原動力とするトレンドブログは、読者の関心を引くために「顔写真はこちら」「素顔が美人すぎる」といった扇情的な見出しを量産しました。ここにあるのは、一人の人間に対する敬意ではなく、単なるコンテンツとしての消費です。