サザン「I Love Youはひとりごと」放送禁止の衝撃理由と真実
この楽曲が波紋を呼んだ最大の要因は、桑田佳祐が紡ぎ出したあまりにもストレートで写実的な歌詞描写にある。ラブソングの形を借りながらも、男女の生々しい夜の営みや性的なニュアンスをコミカルかつ露骨に表現したフレーズが散りばめられていた。当時、若者のサブカルチャーを牽引していたサザンオールスターズならではのユーモアと挑発だったが、保守的なメディア側はこれを「公序良俗に反する過激な表現」と受け止めたのだ。
とりわけ、性描写を連想させる直接的なフレーズやダブル・インテンダー(言葉のダブル・ミーニング)の多用は、一般的な歌謡曲の常識を遥かに逸脱していた。リスナーに与える心理的インパクトは絶大であり、放送局側が自主規制の判断を下すまでに時間はかからなかった。言葉の遊び心と表現の限界に挑んだ桑田の表現美学が、図らずもメディアの倫理規定と正面衝突した瞬間と言える。