写真集に命を吹き込む造本家・町口覚|手触りと美学が世界を魅了する理由
町口覚は1971年、東京に生まれた。幼少期からデザインや造形に親しみ、デザインの世界へと足を踏み入れた。1993年、若干22歳にしてデザイン事務所「マッチアンドカンパニー」を設立。ここから彼の挑戦が始まった。
設立当初から、映画、演劇、現代美術の演劇ポスターやグラフィックワークを数多く手掛け、鋭利で力強い表現スタイルを確立していった。しかし彼の情熱が最も強く注がれたのは、次第に「写真集」という重厚なメディアへと絞られていく。
デザイン事務所から世界的なアートレーベルへ
クライアントの依頼をこなすだけの受託デザインにとどまることを、町口は良しとしなかった。自らが「本当に美しい」と信じる本を、純度の高いまま世に送り出す仕組みが必要だったのだ。その想いが、後に自社レーベル「M」や直営の「bookshop M」の展開へとつながっていく。