アンジャッシュネタ作りの担当はどっち?すれ違いコントの緻密な裏側
結論から明かすと、アンジャッシュの複雑なすれ違いコントにおいて、メインの台本作成やロジックの組み立てを担当していたのは渡部建だ。しかし、話はそう単純なものではない。高校の同級生だったふたりがコンビを結成した当初、スクールへ誘い「お笑いをやろう」と声をかけたのは児嶋一哉だった。初期のネタ作りでは児嶋もアイデアを持ち寄っていたが、物語の論理的整合性と伏線回収が求められるスタイルへ進化するにつれ、執筆の軸足は渡部へと移っていった。
渡部が手がける台本は、もはやお笑いのコント枠を超えて演劇の戯曲に近い精密さを誇る。Aという状況に置かれた人物と、Bというまったく別の状況にいる人物が、同じフレーズを口にしながら進行する。この「ダブルミーニング」を成立させる作業は極めて過酷だ。一言のニュアンスのズレが全体の構造を崩壊させるため、渡部は部屋に一人でこもり、言葉のパズルを解くように何日も推敲を重ねたという。