タンパク質とアミノ酸の違いとは?吸収速度とプロテイン選びの真相
健康志向の高まりとともに警鐘が鳴らされているのが、タンパク質の過剰摂取に伴う内臓負荷です。厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」において、成人の1日あたりの推奨摂取量は男性65g、女性50g(一般的な体重あたり約0.9〜1.0g)と設定されています。活発な筋力トレーニングを行うアスリートであっても、国際スポーツ栄養学会(ISSN)等の推奨値は体重1kgあたり1.4〜2.0g程度が上限の目安とされています。
体重70kgの人物が毎日200g以上のタンパク質を長期にわたり摂取し続けた場合、どのような生理的リスクが生じるのでしょうか。
体内で余剰となったアミノ酸は貯蔵することができません。アミノ基(-NH2)は有毒なアンモニアに変換され、肝臓の尿素回路で無毒な尿素へと解毒された後、腎臓の糸球体で濾過されて尿として排泄されます。つまり、タンパク質の過剰な詰め込みは、肝臓と腎臓に対して常時フル稼働の残業を強いることと同義です。既に潜在的な腎機能低下を抱えている人の場合、糸球体内圧の上昇による腎機能悪化のリスクが医学的に指摘されています。
さらに見過ごせないのが腸内環境の著しい悪化です。小腸で消化吸収しきれなかったタンパク質が大腸へ流れ込むと、ウェルシュ菌などの悪玉菌のエサとなり、アンモニア、硫化水素、インドール、スカトールといった有害物質(腐敗産物)を発生させます。便やおならの異常な悪臭、頑固な便秘、肌荒れなどの症状は、身体が発している「消化容量オーバー」の危険信号です。