栄光の陰で馬肉になった名馬たち|殺処分の歴史と引退馬支援の現在地
公的支援と並んで引退馬の命を支える巨大な柱となっているのが、ファンの草の根活動とデジタルプラットフォームの融合です。引退馬養老牧場の現在地を見ると、認定NPO法人「引退馬協会」や「TCC Japan」、北海道の「Yogiboヴェルサイユリゾートファーム」など、観光・宿泊・グッズ販売を組み合わせた持続可能な牧場経営が全国で成果を上げています。
中でも引退馬クラウドファンディングの存在感は絶大です。代表格である元競走馬ナイスネイチャの「バースデードネーション」は、毎年数千万円から億円規模の寄付を集める社会現象となりました。この支援金はナイスネイチャ1頭のためだけでなく、地方競馬出身馬や重賞未勝利の引退馬を「フォスターホース(里親馬)」として受け入れる原資として活用されています。
ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』のヒット以降、引退馬支援に関心を持つ若い世代のファンが急増しました。引退馬を単なる消費の対象ではなく、共に生きるパートナーとして捉える価値観が浸透したことで、月額制のサポーター(ファンクラブ形式)やふるさと納税を活用した支援スキームなど、民間発の新たな共生モデルが確立されつつあります。