博多通りもん熱狂の秘密!地元民が隠す裏技と確実な入手ルート
福岡市博多区に本社を置く株式会社明月堂が、この画期的な菓子の開発に着手したのは昭和の終わり頃のことだ。「今までにない、本当に美味しい博多の西洋和菓子を作りたい」。その強い情熱を胸に舵を取ったのが、当時の専務であり後に代表取締役社長を務めた秋丸真一郎氏をはじめとする開発陣だった。目指したのは、口に入れた瞬間にとろけるような今までにない食感だ。
試行錯誤の末にたどり着いたのは、上質な白餡に練乳とバターを惜しみなく練り込むという大胆な発想だった。しかし、水分量が多く柔らかすぎる餡を薄い皮で包んで焼き上げる工程は困難を極め、当時の製菓産業の常識を覆す技術的挑戦の連続となった。開発に費やした年月は実に数年。1993年、ついに理想の和洋折衷菓子が誕生した。
名前の由来となったのは、博多の初夏を彩る市民の祭り「博多どんたく港まつり」だ。どんたくの衣装を身にまとい、しゃもじを打ち鳴らしながら練り歩く人々を博多弁で「通りもん(とおりもん)」と呼ぶ。地域の魂ともいえる伝統行事の活気と親しみやすさをそのまま銘柄に宿した菓子は、瞬く間に市民の誇りとなっていった。