蚕の卵の育て方と色の変化の秘密|孵化のコツから入手先まで徹底解説
蚕の卵を扱う上で絶対に理解しておくべきなのが、「越年卵(えつねんらん)」と「不越年卵(ふえつねんらん)」の生態的な違いです。蚕には、卵の段階で冬を越す性質(休眠性)が遺伝的に備わっています。
野生の昆虫が冬の寒さや餌不足を乗り越えるのと同様に、蚕のメス成虫が体内で分泌する休眠ホルモンの作用によって、産み落とされる卵のタイプが決定されます。
越年卵は、産卵後に色素が沈着して藤鼠色になると、そのまま深い休眠状態へと突入します。この休眠は、「一定期間の低温(冬の寒さ)」を経験しなければ解除されません。そのため、秋から春にかけて飼育を一時ストップし、希望する時期まで卵を眠らせておくには冷蔵庫を活用します。
家庭で越年卵を保管する場合、温度2.5℃〜5℃前後に保たれた冷蔵庫のチルド室や冷蔵室が適しています。注意すべきは乾燥と過剰な結露です。蚕の卵が貼り付けられた台紙(蚕種紙)を、適度に湿らせた脱脂綿やろ紙とともに密閉チャック付きポリ袋に入れ、冷気の直撃を防ぎながら保管するのが基本です。