帯状疱疹はうつる?家族や赤ちゃんへの感染リスクと最新の予防策
実際の生活現場では、帯状疱疹を巡ってどのような困難や葛藤が起きているのでしょうか。SNS上のコミュニティや医療相談窓口に寄せられた体験談からは、単なる医学書の情報では測りきれない生々しい現実が浮かび上がります。
都内のマンションで生後8カ月の長男を育てる30代女性は、夫が帯状疱疹を発症した当時の緊迫した状況を次のように振り返っています。
「主人の背中に赤い斑点が出た当初は『寝違えか虫刺され』と軽く考えていました。しかし翌日には小さな水ぶくれがびっしり広がり、皮膚科で帯状疱疹と診断されました。息子はまだ1歳未満で水痘ワクチンを打っていません。『夫からうつれば重症の水ぼうそうになる』と医師から告げられ、そこからの1週間は生きた心地がしませんでした。狭い2LDKの中で夫を寝室に完全隔離し、トイレに行く際も患部を包帯で厳重に覆ってもらい、触れたドアノブは全て次亜塩素酸シートで消毒。入浴は夫を最後にし、バスタオルも洗濯機を回す直前まで別々の袋に密封しました。精神的に極限状態でしたが、幸い息子への感染は防げました」
一方、職場における理解不足やプレゼンティーズム(無理を押しての出勤)による苦悩を語る患者も少なくありません。大手メーカーに勤務する40代男性は、痛みを我慢して出勤を続けた結果を悔やんでいます。
「右脇腹が焼け付くように痛む中、重要な納期を抱えていたため湿布を貼って仕事を続けました。『大人にはうつらない病気だから大丈夫だろう』という自己判断もありました。しかし数日後に職場の同僚から『それ帯状疱疹じゃないか』と指摘され受診したときには、水ぶくれが大きく破れて皮疹がピークに達していました。初期治療が遅れたため薬の効きが悪く、発症から半年が経過した現在も右脇腹に電気が走るような神経痛が残り、鎮痛薬が手放せません。無理に出勤せず、初動の段階で数日休んで安静にすべきだったと痛感しています」
このように、家庭内における「未免疫者への過剰な不安と隔離ストレス」、職場における「うつらないという誤解からくる無理な出勤と重症化」という二重の歪みが、現場のリアルな課題として浮き彫りになっています。