セウォル号沈没事故と日本の知られざる真相|救助拒否の理由と改造の闇
セウォル号沈没事故は、日韓のメディア・外交摩擦という別の重大な局面をも生み出しました。事故発生当時、朴槿恵(パク・クネ)大統領が約7時間にわたり公式の場に姿を現さず、適切な指示を出していなかったとされる「空白の7時間」問題です。
この疑惑について、日本の産経新聞の加藤達也ソウル支局長(当時)が韓国国内の報道や政界関係者の証言を引用し、「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」と題するウェブコラムを執筆しました。
これに対し韓国検察は、大統領に対する名誉毀損容疑で加藤支局長を在宅起訴し、約8ヶ月間に及ぶ出国禁止措置を下しました。外国メディアの特派員が報道内容を理由に刑事起訴されるという前代未聞の事態に、日本政府や国際ジャーナリスト組織(IPIなど)は「言論・報道の自由の著しい侵害」として猛烈に抗議しました。
裁判は2015年12月、ソウル中央地裁が「大統領個人の名誉毀損には当たらず、公共の利害に関する報道である」として無罪判決を言い渡し、検察側が控訴を断念したことで決着しました。この一連の事件は、事故対応の失敗に揺れる当時の朴政権がいかに言論統制に走っていたかを象徴する出来事となりました。