照ノ富士の現在と引退の真相|奇跡の復活劇から親方襲名まで迫る
照ノ富士の力士人生を語る上で欠かせないのが、大関から序二段への大転落とそこからの大復活劇です。2015年に23歳の若さで大関昇進を果たしたものの、直後から激しい膝の怪我と内科系疾患に見舞われ、満足な稽古はおろか歩行すら困難な状態へと追い込まれました。
両膝の手術を余儀なくされ、大関陥落後も番付は下降の一途をたどり、一時は大相撲の底辺に近い序二段48枚目まで転落。引退届を師匠に手渡そうとした局面が幾度もありましたが、師匠である伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)の「まずは病気と怪我を治すことが先決だ」という強い説得に支えられ、土俵への復帰を決意しました。
2019年春場所で土俵へ復帰すると、基礎トレーニングの徹底と相撲スタイルの再構築により破竹の快進撃を記録。幕下、十両、幕内へと瞬く間に駆け上がり、2026年には大関復帰、そして第73代横綱への昇進という相撲界前人未到の偉業を成し遂げました。これまでに積み上げた幕内最高優勝は二桁の10回を数え、逆境を乗り越えた横綱の言葉には常に重みが宿っています。