恋愛や性愛への違和感の正体とは?アセクシャルが問い直す愛の形
性的マイノリティへの理解が進んだとされる現在でも、当事者たちが直面する障壁は決して低くない。プライドハウス東京をはじめとする支援組織や調査機関が公表した2026年最新の意識調査では、回答者の約7割が「日常生活において自分の存在が不可視化されていると感じる」と答えている。ゲイやレズビアンといった同性愛に関する認知が高まる一方で、無性愛という「欲望の不在」は、依然として周囲から見落とされやすい。
職場や地域コミュニティでの雑談において、「結婚しないの?」「好きなタイプは?」といった悪気のない問いかけが日常的に繰り返される。嘘をついて適当な回答を捏造するか、場を凍らせるリスクを冒してカミングアウトするか。多くの当事者がこの二者択一の精神的消耗を強いられている実態がデータから浮き彫りになった。
さらに深刻なのは、医療機関やカウンセリングの場での無理解だ。性欲の乏しさを「性欲低下障害(HSDD)」やホルモンバランスの異常、あるいは過去のトラウマに直結させ、治療の対象として扱おうとする旧態依然としたアプローチに傷つく当事者は後を絶たない。