バイタルとは何の略?4大バイタルサイン基準値と危険な異常値の見分け方
高齢者のバイタルサインは、成人の典型的な基準値パターンとは異なる特徴を持っています。加齢に伴う生理機能の低下により、典型的な警告症状が現れにくくなる「非定型病像」を示すことが多いためです。
高齢者バイタルサインの主な特徴
- 体温調節機能の低下:基礎代謝が落ち平熱が低め(35度台後半)になりやすい。重篤な肺炎や尿路感染症であっても高熱が出ず、37.2℃前後の微熱に留まる例が頻発します。
- 動脈硬化と血圧変動:血管の弾力性が失われるため収縮期血圧(上の血圧)が高くなりやすく、脈圧(上下の差)が広がる傾向があります。また、起立性低血圧や食後低血圧を起こしやすくなります。
- 不整脈の好発と呼吸機能の代償:刺激伝導系の変性により脈拍の乱れが生じやすいほか、心肺機能低下を呼吸数の増加で補おうとする特徴があります。
数値だけに依存せず、看護観察の現場では「五感を使ったフィジカルアセスメント」が極めて重視されます。
数値と合わせて見逃せないバイタルサイン看護観察項目
- 皮膚・顔色の状態:冷汗、チアノーゼ(唇や爪が紫色)、乾燥、蒼白。
- 呼吸の質と胸郭の動き:肩で息をしている(下顎呼吸・努力呼吸)、喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー音)の有無。
- 言動と意識の清明度:「いつもより受け答えが遅い」「視線が合わない」「つじつまの合わない発言をする」。