「最愛王」ルイ15世はなぜ国を凋落させたか?愛妾と革命の真相

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ネット上の言説や通俗的な歴史物語では、「政治を完全に放棄して愛妾と快楽に溺れ、国を破滅させた無能な愚王」という極端なステレオタイプで語られがちです。しかし、歴史学におけるルイ15世の評価の経緯を辿ると、近年ではより複雑で高度な統治者像が提示されています。

ルイ15世の最大の再評価ポイントは、治世末期に行われたモープーの司法改革(1771年)です。当時、貴族階級の既得権益の牙城となっていた高等法院(パルルマン)は、王令の登録拒否権を盾に、貴族への課税を含むあらゆる財政改革を妨害していました。宰相モープーと組んだルイ15世は、抵抗する高等法院の法官たちを一斉に追放・職務停止処分とし、司法官の売官制を廃止して国家給与制へと移行させる強硬な大改革を断行しました。

もしこの改革が定着していれば、貴族への公平な課税が実現し、絶対王政は近代的な官僚国家へと脱皮して革命を回避できた可能性があります。しかし、ルイ15世の急死後に即位したルイ16世は、世論の人気取りのために追放された高等法院を即座に復権させてしまいました。その結果、改革は完全に水泡に帰し、財政問題は手の施しようのない破局へと突き進むことになったのです。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。