本場バターチキンカレーの真実|甘い日本の味と違う誕生秘話と再現レシピ
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世界中で愛されるバターチキンカレーのルーツは、インドがイギリスから独立を果たした1947年前後の動乱期、オールドデリーの伝説的レストラン「モティマハル(Moti Mahal)」に遡ります。
当時、創業者のクンダン・ラル・グジラル(Kundan Lal Gujral)氏らは、タンドール(炭火の土窯)で焼き上げる「タンドリーチキン」を看板メニューとして大ヒットさせていました。しかし、冷蔵技術が未発達だった時代、売れ残って窯の熱で乾燥し、パサついて硬くなったタンドリーチキンをいかに廃棄せず美味しく提供するかという深刻なフードロスの課題に直面していました。
そこで考案されたのが、「濃厚なトマトソースにバターと生クリーム、スパイスを合わせ、余ったタンドリーチキンを漬け込んで煮戻す」という画期的な調理法でした。炭火で焼かれた香ばしいチキンの肉汁とスパイスがトマトソースに溶け出し、パサついていた肉は驚くほどジューシーに蘇ったのです。ヒンディー語で「ムルグ=鶏肉」「マッカニー=バター(油分)で調理された」を意味する『ムルグマッカニー』は、こうして偶然と現場の知恵から誕生しました。
なお、2026年から2026年にかけて、インド・デリー高等裁判所においてモティマハル創業家と、同じく名店「ダリヤガンジ(Daryaganj)」の間で「どちらが真の発明者か」を巡る元祖争い訴訟が報じられ、世界的な注目を集めました。この法廷闘争自体が、バターチキンカレーがいかにインドの国民的誇りであり、食文化の至宝であるかを物語っています。