犬のヒートとは?期間・症状とオスを刺激しない散歩マナー完全版
ネット上のQ&AコミュニティやSNSでは、「出血が止まったからもう安心」「生理痛があるなら痛み止めを飲ませたい」といった危険な誤解が後を絶ちません。正しい知識でリスクを先回りすることが、愛犬の命を守ることに直結します。
最大の落とし穴は、「出血が止まった直後こそ、最も妊娠しやすい時期である」という生物学的真実です。前述の通り、犬の出血は発情前期にピークを迎え、排卵が起きる発情期本番には色が薄くなり出血量が激減します。飼い主が「血が出なくなったからヒートが終わった」と早合点して他の犬と接触させ、意図しない妊娠につながる事故が毎年後を絶ちません。出血消失後も最低10日間は警戒を継続する必要があります。
もう一つの見落とせない病態が、ヒート終了後2ヶ月前後に発症しやすい「犬偽妊娠症状と乳汁」です。交尾をしていなくても、発情休止期に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)とプロラクチン(催乳ホルモン)の影響により、身体が「妊娠した」と錯覚してしまう現象です。
ぬいぐるみを我が子のように抱え込んで巣作り行動を始めたり、触られることを極端に拒否して攻撃的になったりします。重症化すると乳腺が張って実際に母乳(乳汁)が分泌され、愛犬自身が舐め壊して乳腺炎を引き起こすこともあります。偽妊娠自体は生理的な範囲であれば数週間で自然消退しますが、乳房の強い熱感や食欲廃絶が続く場合は、早急な動物病院の受診が不可欠です。