街角から消えゆく「500ミリ」の境界線——2026年、自販機とコンビニの棚で何が起きているのか
緑茶や麦茶のコーナーを歩けば一目瞭然だ。大手メーカーの主力商品は、いまや500mlのラインを軽々と超えている。かつてワンコイン、100円玉や150円前後の小銭で買えた茶系飲料は、600mlから680mlの大容量が主戦場になった。内容量を増やして「お買い得感」を演出する一方で、希望小売価格はしっかり引き上げる。これがメーカーの描いた計算式だ。
原価の上昇分をそのまま小幅値上げに反映させると、消費者は「割高になった」と敏感に反発する。しかし、容量を一回り大きくした新容器を投入すれば、棚の上で他社製品より目立ち、「たっぷり入ってお得」という納得感を与えられる。水と抽出液のコストは、容器代や長距離トラックの運賃に比べれば微々たるもの。この奇妙な“増量インフレ”が、長年親しまれた500mlを棚の奥へと追いやる原動力になった。