犬の息が荒いのは病気のサイン?熱中症や心臓病の見分け方と受診目安
犬が口を開けて浅く速い呼吸を繰り返す動作は「パンティング」と呼ばれます。通常、犬の汗腺は肉球などごく一部にしか存在しないため、パンティングは体温を下げるための必須機能です。しかし、問題となるのは犬の息が荒い原因が生理的な放熱なのか、それとも疾患による病的呼吸困難なのかという点です。
生理的なパンティングは、運動後、外気温が高い場所から涼しい部屋へ移動した直後、あるいは来客や雷などの強い興奮・緊張時に見られます。これらは環境が落ち着き、水分補給を行って安静状態になってから15〜30分以内に徐々に収束するのが通常です。一方で、空調の効いた室内で安静にしているにもかかわらず、犬の息が荒い状態やハアハア続く現象が見られる場合、これは明確な犬のパンティングの異常と捉える必要があります。
臨床的に最も客観的な指標となるのが「安静時呼吸数」の測定です。愛犬が深く眠っている、あるいは完全に脱力して横たわっている状態で、胸郭が「上がって下がる」動きを1回とカウントします。成犬の正常値は1分間に15〜30回です。もし安静時や睡眠中に40回を超えている場合、肺水腫や胸水、肺炎などの重篤な呼吸不全が疑われます。日頃から愛犬の平時の呼吸リズムを把握しておくことが、異常を即座に感知する最大の防御策となります。