完結直前!『宇宙兄弟』はどうなる?最終回の結末とムッタ帰還の真相を徹底解説
『宇宙兄弟』という叙事詩を語る上で欠かせないのが、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)と闘う天文学者・金子シャロンとムッタが交わした約束だ。月面に巨大望遠鏡を建設するという夢は、単なる建造物の設置作業ではなく、意志と科学技術が世代を超えて受け継がれる象徴として描かれてきた。
極限の月面作業において、幾多の困難を退けて進められたシャロン月面望遠鏡の完成は、物語構造上の最大のハイライトである。この望遠鏡が宇宙の深淵を捉え、ファーストライトの映像が地球のシャロンのもとへ届く瞬間は、作中における全伏線の総決算となる。体が動かなくなっても知性と魂は宇宙を旅することができるというメッセージは、読者の涙腺を激しく揺さぶる。
さらに、第1話から張り巡らされてきた細やかな伏線の数々も見逃せない。兄弟が幼少期に目撃した「UFOの正体」に対する二人の解釈、南波家の両親がフライパンを叩きながら見守り続けた日々の決着、そして宇宙へ旅立つ前に残された様々な約束事。これらすべてのパズルのピースが、強引な処理ではなく、登場人物たちの自然な息づかいの中で美しくハマっていく過程こそ、本作が名作と呼ばれる所以である。