「体に優しい」は幻想だったのか? 2026年、てんさい糖ブームの陰に潜む血糖値リスクと専門家が鳴らす警鐘

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てんさい糖がこれほどまでに支持を集めた最大の論拠は、原料である甜菜(サトウダイコン)に含まれる天然のラフィノースなど「オリゴ糖」の存在だ。腸内環境を整え、善玉菌の餌になるという触れ込みである。だが、成分表を丹念に読み解いたことがある人間はどれほどいるだろうか。

市販されている一般的なてんさい糖の成分比率を見ると、その85パーセントから90パーセント近くは「ショ糖」だ。化学的に言えば、上白糖やグラニュー糖と本質的に何も変わらない二糖類である。オリゴ糖の含有量は、製品にもよるがわずか5パーセント前後に過ぎない。腸内フローラを改善するのに十分なオリゴ糖をてんさい糖から摂取しようとすれば、その何倍もの純粋な糖質を体内に流し込む羽目になる。スプーン一杯の甘味に過剰な整腸作用を期待するのは、栄養学的に見れば明らかに帳尻が合わない。

糖はどこまで行っても糖だ。体内に吸収されればグルコースとフルクトースに分解され、肝臓と膵臓に真っ向から負荷をかける。この単純な生理メカニズムを、都合よく無視することは誰にもできない。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。