喉越しの裏に酵母の革命!日本人が愛する黄金色ビールの真実を追う
日本におけるビールの歴史もまた、ドイツ式ラガーの導入とともに本格化した。明治維新後、欧米から持ち込まれたビール文化の中で、日本人の繊細な味覚と湿潤な気候に最も調和したのが冷涼なキレを持つ下面発酵ビールだった。
その潮流を牽引したのが、激動の時代を駆け抜けた二大巨頭だ。サッポロビール株式会社の源流である開拓使麦酒醸造所は、ドイツで修行を積んだ中川清兵衛の手によって1876年に冷涼な北海道の地で産声を上げた。本場仕込みの下面発酵技術にこだわり、厳しい北の大地を活かした氷室貯蔵によって本格ラガーを定着させた。
一方、麒麟麦酒株式会社の看板商品として今なお絶大な支持を集めるキリンラガービールは、長期低温熟成による豊かなコクと力強い苦味を貫き、日本人の舌に「ビールの苦味の快感」を刷り込んだ。生ビールが主流となった現代にあっても、伝統的な熱処理製法にこだわる「クラシックラガー」を残し続けるなど、日本の食卓とラガーの絆は単なるブームを超えた文化的厚みを持っている。