『宝石の国』フォス変化の驚愕全貌!純粋な初期像から神への覚醒
作者である市川春子の才能が遺憾なく発揮された本作は、極上のSF的仕掛けと洗練されたダークファンタジーの融合体である。無機物が感情を持ち、死のない世界で擦り減っていく絶望感を描くタッチは、それまでのマンガ表現の域を遥かに超えていた。
この異端とも言える美学を長年にわたり全面的に支援し、商業的成功へと導いた講談社と月刊アフタヌーンの編集陣の判断も見逃せない。一万年のタイムジャンプや、主人公が救世主でありながら究極の被害者として描かれる破天荒なストーリー展開を最後まで描き切らせた環境が、本作を不朽の名作へと仕立て上げた。