大相撲の行司になるには?19歳未満・定員45名の壁と年収・入門の実態
行司の世界へ足を踏み入れた若者を待ち受けているのは、一般的な社会人生活とは完全に切り離された共同生活です。入門と同時に所属相撲部屋の大部屋へ入り、力士たちとともに生活をスタートさせます。
自著や歴代行司の証言録によると、若手時代は早朝からの土俵掃除、親方や先輩行司の身の回りの世話、ちゃんこ番の手伝いなど、雑用をこなしながら筆耕や発声の基礎を叩き込まれます。土俵上では大きな声を張り上げるため、腹式呼吸の訓練を重ね、喉を枯らしながら独特の呼び上げを身につけていきます。
かつて現役を務めた行司の手記には、「土俵上で力士の巨体が猛スピードで迫ってくる恐怖心に打ち勝ち、一瞬の足の出を見極める眼力を養うには最低でも10年の歳月を要する」と記されています。過酷な共同生活と年功序列の規律に馴染めず、十両格に上がる前に土俵を去る若手も少なくありません。しかし、その厳しさを乗り越えて幕内格や三役格へと昇進した行司たちは、伝統文化の正統な継承者としての強い誇りと連帯感を持って職務を全うしています。