杉山佳の描く光と静寂——日本画の古典技法で掬い取る現代のリアル

杉山佳の描く光と静寂——日本画の古典技法で掬い取る現代のリアルの基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。

伝統的な日本画は紙(和紙)に描かれることが多いが、杉山は「絹本(けんぽん)」、つまりシルクの布地を支持体として多用する。絹本は裏面から色を施す「裏彩色(うらざいろ)」という技法が可能であり、表からの描写と重なることで、柔らかく光を孕んだような特有の発色が得られる。

画面の表面を凝視してほしい。粗い粒子と細かい粒子が交錯している。光が差し込む角度によって、絵の表情が微妙に変化する。この物質感こそ、デジタル画面では決して再現できない生の絵画体験だ。

質感は雄弁だ。壁のザラつき、布の落ち感、影の湿り気。杉山の手にかかると、何の変哲もない日常の一角が、神聖な静寂を纏い始める。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。