ゴッホのひまわりは何枚ある?本物の現在地と値段の真相を徹底解説

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東京・西新宿の高層ビル群の一角にあるSOMPO美術館。ここに飾られている「ひまわり」は、バブル経済絶頂期の1987年3月、ロンドンのクリスティーズで旧安田火災海上保険が落札したものです。当時の落札手数料を含めた購入価格は約3990万ドル(当時の為替レートで約53億円)。美術品のオークション史上最高額を大幅に塗り替えたニュースは、世界中のメディアでトップニュースとして報じられました。

2026年現在の美術市場のインフレ率やゴッホ作品の希少性を鑑みると、もしこの作品が再び公開オークションに出品された場合、300億〜500億円以上の評価額がつくことは確実視されています。

しかし、巨額の購入から約10年後の1990年代後半、英サンデー・タイムズ紙などを中心に「損保ジャパンのひまわりは偽物ではないか」という疑惑が報じられました。ゴッホの友人だった画家兼修復家エミール・シェフネッケルが描いた贋作ではないかという言説がネットや一部の美術ファンの間で独り歩きしたのです。

この疑惑に終止符を打ったのは、世界最高峰の調査機関であるオランダのファン・ゴッホ美術館による徹底的な科学的・美術史的調査でした。

調査チームは、X線撮影、顔料の化学分析、キャンバスの織り目解析(スレッド・カウント)を綿密に実施。その結果、以下の決定的な証拠が確認されました。

  • 使用されているキャンバスのロールが、ファン・ゴッホ美術館所蔵の『ひまわり』や他のアルル時代の作品と全く同一の織りパターンを持つこと。
  • ゴッホ特有の絵の具の重ね方や、下絵なしで一気に塗り重ねていく筆致(筆触分割と厚塗り)が、他作と完全に一致すること。
  • 弟テオやゴーギャンとの往復書簡に記された「制作過程の記述」と絵具の乾燥状態に整合性があること。

2001年、ファン・ゴッホ美術館は「SOMPO美術館のひまわりは、間違いなくゴッホ自身の手による本物である」と正式に鑑定結果を発表しました。かつての「損保ジャパンひまわり偽物説」は学術的に完全否定されており、現代では疑う余地のない真正の傑作として位置づけられています。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。