鴨川沿いの名店「赤垣屋」名物おでんと幻の地酒を味わう完全案内
日本全国の酒場を巡り歩いてきた居酒屋探訪家・太田和彦が「日本一の居酒屋」として幾度となくその名を挙げ、テレビ番組『太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選』でも熱弁を振るった場所、それがここである。酒場詩人として知られる吉田類もまた、その情緒溢れる風情と肴の完成度に惜しみない賛辞を寄せてきた。食の専門誌『dancyu』をはじめとする数多のメディアで特集が組まれる理由は、単なる歴史の古さだけではない。
店内中央に据えられた年季の入ったカウンター、職人がきびきびと立ち働く厨房の気配、壁に掛けられた短冊の品書き。無駄な装飾を一切削ぎ落としながらも、隅々まで手入れの行き届いた空間には、訪れる者を包み込む独特の風格が漂う。隣り合った見知らぬ客同士が自然と声を掛け合い、静かに杯を重ねる。そこには、時代を超えて受け継がれてきた大衆酒場文化の理想郷が確かに息づいている。