本場のバターチキンカレーは甘くない?発祥の歴史と驚きの味付けの真相
家庭で本場の味を忠実に再現しようとする際、どれだけスパイスを増やしても「何かが足りない」と感じることがあります。その失われたピースを埋める鍵となるのが、「カスリメティ」と「カシューナッツペースト」の存在です。
カスリメティ(フェヌグリークの乾燥葉)は、インド料理の仕上げに欠かせない芳香ハーブです。煮込みの最終段階で手のひらですり潰しながら加えることで、メープルシロップにも似た甘くほろ苦い特有の香気と、奥深いコクを一気に引き出します。これが入っていなければ、本物のムルグ・マカニの風味を完成させることは不可能です。
もう一つの要であるカシューナッツペーストは、水に浸したカシューナッツを滑らかになるまでグラインドしたもので、ソースにとろみと上品な植物性油脂の甘みを与えます。小麦粉でとろみをつけるのではなく、ナッツとトマトの固形分でソースを構築するのが本場のセオリーです。
本格的なスパイス配合の基本構成は以下の通りです。
- ベースアロマ:グリーンカルダモン、クローブ、シナモン(ホールスパイスを油で加熱して香りを抽出)
- パウダースパイス:カシミールチリパウダー(鮮やかな赤みと適度な辛味)、コリアンダーパウダー(爽やかな柑橘系の厚み)、クミンパウダー(大地のコク)
- フィニッシュ:カスリメティ(必須の芳香付け)、高品質なガラムマサラ(全体の引き締め)