日本のへそ公園はなぜ日本の中心?見どころ・遊具・アクセス完全ガイド

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兵庫県西脇市が「日本のへそ」と宣言している背景には、単なる観光キャンペーンにとどまらない、公的な地理的根拠が存在します。日本の標準時を決定づける東経135度の子午線と、京都や東京などの主要都市とほぼ同緯度を結ぶ北緯35度線。この二大基準線が交差する地点が、まさにこの公園の敷地内にあるのです。

歴史をさかのぼると、1923年(大正12年)、当時の大日本帝国陸地測量部(現在の国土地理院)の測量員によって、加古川のほとりの山林に「経緯度交站点」の標柱が建てられたことがすべての始まりでした。日本列島の本州において、経度と緯度の「きりの良い10度単位の数字」が交差する極めて希少なポイントとして認定され、西脇市はこの地を「日本の中心・へそ」として誇りにしてきた経緯があります。

現地を訪れた旅行者が必ず驚くのが、「交差点が園内に2カ所存在する」という事実です。大正時代に建てられたオリジナルの記念碑から南西へ約400メートル離れた岡之山の山頂付近に、もう一つの「平成の交差点」が整備されています。

このズレが生じた真相は、1994年(平成6年)に最新のGPS(人工衛星を利用した汎地球測位システム)を用いて再測量を実施した点にあります。大正時代の測量技術も当時としては極めて高精度でしたが、近代衛星測位による「世界測地系」のデータと比較した結果、約400メートルの数値差が判明しました。西脇市はこの差を隠すことなく、科学の進歩と歴史の重みを伝える生きた教材として、大正の交差点も平成の交差点も共に保存・公開しています。現在では、建築家・磯崎新氏が手がけた4本の円柱が天を突く「平成の交差点モニュメント」とパノラマ回廊が設置され、360度の大自然を見渡しながら科学と宇宙のロマンに浸れる屈指のビュースポットとなっています。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。